月光楽房

紡ぐ音の徒然、憂いながらもその煌きに魅せられた日々の軌跡

RayAnderson

大排気量の破壊力と魅力

とあるミュージシャン兼評論家の弁。
圧倒的な声量や技術があっても聴く側のツボを押さえなければ感動出来ない
例えば高圧で放水できる消防車でも現場へ急行できなかったり、そのパワー故に消化点に照準を合わせられなければ意味がない
とのこと。

なるほど。
おっしゃる通り。

んでもってミュージシャンでめあるコイツがどれほど歌えるのか興味が沸いた。
聴いてみた。
・・・
ま、コイツは全体的にもう少しクロックアップしたほうがよさそうだ。

ぃあぃあ。
概ね納得なんです。
だって音楽はスコア(点数)を競うものではない。
寧ろ整体師や鍼灸士のように各々や大衆の最大公約数となるツボを捜し当て絶妙の加減で処置を施すようなもの。
まさに精密作業といって憚らない。

しかしながら圧倒的な質量で統べてをねじふせてしまう音楽もある。
それは先日急逝したホイットニー・ヒューストンや伝説と呼ぶに相応しいフレディ・マーキュリーメイナード・ファーガソンレイ・アンダーソン、チャーリー・パーカーなどなど。


いわずものがな彼等には成層圏の域に達した高い音楽性が根幹にある。
しかし奏でられ紡がれる調べは破壊的にして威圧的な技術と圧力が聴衆の意識を刈り取って行く。
Core i7xeonプロセッサを搭載制御され轟音を立てる巨大エンジンで突き進むユンボやダンプカーみたいなもの。もはや理屈は通用しない。

間違いなくそういった豪快さも音楽の醍醐味に違いないのである。

ディテールとして対極にあるマイルス・デイビスアート・ファーマーらも整然としたなかに凄みを湛えた音楽である。

つまり音楽の善し悪しを語るのに比喩を織り交ぜれば都度に陳腐になってしまうということ。
オチとして長々と前述した自分の戯言こそがソレにあたるということを先にツっこんでおく。

こうした悩みを発信する側から持ち続けられる人ではいたいものだ。

Ray Anderson

RayAnderson。

中学生から高校生の始めまでトロンボーンのアイドルと言えばGlennMillerかTommyDorseyだった。

当時毎年開催されていたMountFujiJazzFestivalの第一回目に彼は来ていたのである。
山下洋輔のバンドの一員としてね。

・・・
もう衝撃だった!
自分が愛してやまないトロンボーンという楽器に対する概念がまるっきり変わってしまったのである。

筆舌にしがたい超絶テクニック!
聴いたことがない音域!
信じられない高速のパッセージ!
もうどうかしちゃっているとしか思えない!

今でも彼は自分にとって揺るがないアイドルだ。

その後、ジョージ・ラッセルのバンドで来日した際にも見に行ったけど、期待以上だった。

また生であの豪快なトロンボーンを聴きたいものだ。

Blues Bred in the Bone

Blues Bred in the Bone


アーティスト:Ray Anderson


販売元:Enja

発売日:1994-02-01


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