クラシック愛好家からの視線で見ても最早『イロモノ』で分類されることも少ない名盤ではないでしょうか。
収録されている総ての作品から深い愛情を以てなされた解釈が伝わってきます。

Moog、つまりanalog synthesizerが持つ琥珀の透明性を思い起こさせる音色と響きがJ.S. Bachの高潔にして包容力に溢れた音楽の世界に新しい息吹を吹き込んだのではないでしょうかね。

動画のブランデンブルグ協奏曲第三番は本来クラブサンを含む弦楽アンサンブル編成で作曲されており、この第一楽章は軽快な中にも勇壮な情景を覗かせるバッハの傑作の一つです。
原作を踏まえて聴いてもその新たなる魅力が損なわれないのは前述した通り作者であるウェンディ・カルロス氏がこの曲に対して非常に深い造詣があることを伺わせるものです。
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〔Player〕J.S. Bach: "Switched-On"
〔Music〕Brandenburg Concerto No. 3 in G major, BWV 1048, 1. Allegro