〔Player〕Dave Steinmeyer & Airmen of Note 1988
〔Music〕Through The Eyes Of Love (Thema of 『ICE castle』)

Dave Steinmeye、既に引退されてはいるがphysicalな演奏技術については最も尊敬するトロンボーン奏者。
同じHigh Noteタイプでも著名なBill Watrousとは決定的に違うタイプ。

Jazz Tromboneとしては各々好みは分散するだろうけど、彼の演奏を聴けばその卓越した技術には無条件の納得をさせられるだろう。

彼のcareerである米国空軍バンド『Airmen of Note』との演奏であり演奏全体が非常に高品質な上に演目は彼が得意とする朗々としたバラード。
その佇まいは伝説のMoody Tromboneの開祖であるTommy Dorseyを彷彿とさせ凌ぐ程のものである。

軍所用の楽団という特性から出版物は発行されているものの国内ではなかなか触れる機会が少なくはあるがフルバンドのファンであれば押さえておきたいユニットであり、これからテクニックを磨いていくtrombone使いは細かな部分を手本とすべき先人であることは間違い無い筈だ。

ここまで理屈をコネてしまったが、もうストレートに素晴らしい演奏であることに尽きる。
堂々と美しいメロディを限界とも言える音域で、しかも苦もなく朗々と歌い上げ切なさを胸に刻み込む。
tromboneに限定した話などではなく近代のJAZZシーンに於いてもなかなか体感出来ない演奏であることは間違い無い。

美しさに癒されつつ、超絶技巧によるアドレナリン分泌での覚醒が齎してくらた朝である。