国立音大出身のリーダー(トランペッター)が結成したAKBBというフルバンドが演奏しているジブリの挿入曲のジャズチューン。
ビッグバンド★ジブリ
ビッグバンド★ジブリ
クチコミを見る

譜面も発売しているので近々のステージで一曲やりそうだ。

細部に少し難解な所もあるんだけど全体的にビッグバンドらしさがちりばめられたアレンジなのでそれなりには面白いかもしれないね。

同じモチーフで女性ビッグバンドの東京ブラス・スタイルがジブリものでミニアルバムをリリースしている。
アニジャズ ジブリ
アニジャズ ジブリ
クチコミを見る

こちらはオリジナリティ豊かで楽曲に対する解釈に深いものを感じる作品になっている。
またウルトラC的な見せ場はないものの肉厚で堅実な演奏スキルが求められる分、カバーは難しそうだ。

いずれにしろ久石譲ものをチューンするのは色々な意味で難しい。
良い意味で久石譲のジブリ音楽自体が高度なパロディだからだ。
「〜みたいなもの」を当然要求され製作されている筈だからだ。
つまりそれは造形として一度完了しているオーダーだから再構築には本質と掛け離れてしまうリスクを念頭しなければならないのだ。

AKBBは完全にビッグバンドのアレンジの妙に趣を置いた仕上がりとなった。
結果、原材とかけはなれた愉しみを前面に押し出すこととなる。
聞き慣れたジブリの名曲を汎用的なフルバンドチューンにした場合の違和感と新鮮さを味わう趣向である。

東京ブラス・スタイルはベースに原曲の主張を置きつつ、フルバンドやブラスの魅力を織り交ぜる方向性を見せた。用途起用方法によるが映像の中にも侵入出来そうな品質といってもいい。

いずれにしてもアレンジ、チューン、それらはつまるところオマージュでありパロディである。
本家をしっかり踏まえた理解と技量があってこそ昇華される。